優れた臨床医の目を実現する個別化医療の研究
遠山 直志教授
多くの医療では、ある疾患の患者さんに対して診療ガイドラインに沿った標準的な治療を行うことが基本となっています。診療ガイドラインはエビデンスに基づいた最適な治療法を提示するもので、多くの患者さんにとって有効な指針となっています。しかし、腎臓病のように患者さんによって病態が多様で、併存疾患が多い場合、リスク因子の影響や治療への反応が患者さんによって大きく異なるため、標準的な管理・治療では不十分なことがあります。
このような場合、豊富な経験と知識を持つ専門医は、患者さんの背景にある様々な情報を考慮して、個別に最適な医療を提供しています。私たちは、そのような専門医の視点に着目し、「優れた臨床医の目」を臨床に応用する研究に取り組んでいます。
ビッグデータを対象に機械学習の手法を用いて、様々な検査データを分析し、個々の患者さんに最適な治療法を選択できるリスク分類器の開発を進めています。このような個別化医療は、診療ガイドラインを補完するものであり、診断基準や病期分類よりもさらに細やかな指標で評価することで、一人一人により最適な医療を届けることを目指しています。