診療内容

当院の腎臓内科では、14床の入院ベッドを備え、腎臓疾患に対する専門的な治療を提供しています。大学病院ならではの専門性の高い疾患から、生活習慣病に伴う慢性腎臓病、透析の導入や腎臓移植など幅広い疾患に対応し、腎臓疾患を中心に全身の健康を見守る総合的なアプローチを実践しています。また「腎臓病の進行を予防するチーム」として、患者様、ご家族の皆様と共に、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーといった多職種が一丸となり、患者様が疾患と共により良い生活を送ることができるよう、入院中の療養から退院後の生活に目を向けた一貫したサポートをチームで行っています。

研修医の病棟研修においては、経験を積んだ指導医と共に診療に当たり、定期的なカンファレンスでの意見交換を通じて、専門的な知識と技術を深めることができます。またチーム医療の実践が、私たちのやりがいでもあり、研修医の皆さんにも、その重要性を体験できる環境を整えています。

助教 小林麻美子


当科では、腎代替療法が必要となる可能性のある末期腎不全患者さんに対し、保存期から血液透析、腹膜透析、腎移植といった治療選択肢について説明しています。透析治療の選択肢としては、血液透析か腹膜透析がありますが、患者さんの仕事、家族構成、住環境、医療リソース、合併症の有無、ADLのレベルなど、個々の状況は様々です。そのため、私たちは患者さんやご家族を中心に医師、看護師も含めたチーム医療を展開し、患者さんにとって最適な治療法を一緒に検討しています。

当院の透析室は現在15床のベッドを有し、透析導入、急性腎不全、透析患者の手術・検査入院など、幅広い状況に対応しています。また、専門的な血漿交換などのアフェレーシス治療も各科と協力して多数実施しています。透析患者さんは心血管系をはじめ、多種多様な合併症を抱えているため、各診療科と密接に連携しながら総合的な診療を行っています。

特命助教 西川雄大

教育内容

内科の醍醐味が学べる腎臓内科での研修・教育。

腎臓内科では内科全般の知識を養えるため、将来的に開業医、病理専門医、臨床検査専門医、教育者、研究医など幅広いキャリアパスが選択できる診療科です。

内科の醍醐味が学べる腎臓内科での研修・教育

AIが得意とする暗記やパターン認識ではなく、全身の身体所見、病理所見、各種検査から隠れた病態を読み解いて論理的な思考に基づいた診断・治療を展開する診療科と言えます。全身に隠れた病態を読み解くためのツールは基礎医学(生化学、生理学、免疫学、薬理学など)と臨床医学を融合させた幅広い知識です。

充実した当科の研修プログラム

  1. 腎臓と全身合併症、および薬剤代謝を考えた全身管理のトレーニング
  2. 水・電解質・酸塩基平衡・腎不全に関する各科からのコンサルテーションに対応するトレーニング
  3. 生活習慣病(高血圧、糖尿病)、膠原病などを広く専門的に診るトレーニング
  4. 自ら病理組織診断を行い、治療方針を決めるトレーニング
  5. 透析管理、シャント管理、血管内治療、およびシャント作成手術のトレーニング
  6. 腎炎治療から移植管理まで、免疫抑制剤と感染症管理のスペシャリストになるためのトレーニング

当科では「J-OSLER time」を設けています。「J-OSLER time」とは研修医が日勤帯に日本内科学会J-OSLEの入力だけをする時間を確保し、その間は上級医がPHSを預かり診療を代わりに行うことで、無理なく最短で専門医を取得できる当科独自の制度です。